揚水発電所のポンプ入力遮断試験について,目的と実施時の留意点を説明します。
目次
- ポンプ入力遮断試験の目的
- ポンプ入力遮断試験の実施時の留意点
- まとめ
1.ポンプ入力遮断試験の目的
全出力で揚水運転中,ポンプの入力が遮断(発電電動機の電源が遮断)された場合,水圧鉄管の水圧,ポンプの水圧,回転速度,発電電動機電圧などが制御値を超えることなく,ポンプ水車,発電電動機が安全に停止できることを確認する。
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2.ポンプ入力遮断試験の実施時の留意点
(1)最初からポンプの全入力の遮断試験となるので,ガイドベーンの閉鎖特性をあらかじめ検討しておくことが重要である
(2)ポンプはガイドベーンを急閉鎖して停止するが,早く閉じすぎると水撃作用が大きすぎる。
逆に閉じるのが遅すぎると逆流する水によって主機が逆回転してしまう。
よって,竣工試験では閉鎖時間をあらかじめシミュレーションで計算しておく必要がある。
前回記録があれば,無水試験の結果を比較して想定に役立てる。
(3)竣工試験時は最初から全出力時の電源遮断を行わず,部分出力時の試験とし,水圧の変化や回転数の変化を見極めてから出力を大きくしていく。
(4)サージタンクや水圧鉄管を複数台で共通に使用している場合は,負荷遮断試験と同様に同時遮断試験を行う。
(5)ポンプ入力の遮断前における発電電動機,ポンプの回転速度,発電電動機電圧および力率は定格値に保持する。
(6)サージタンクなどの土木工作物の状況を確認しておく。
(7)試験時には,水圧鉄管とポンプの水圧,回転速度,発電電動機電圧,ガイドベーン開度などについてはオシロ測定を行い,遮断後の過渡現象を記録する。
(8)自動電圧調整装置(AVR)・過電圧抑制装置を設置している場合は,それらを設定して通常の運用状態として試験を実施する。
3.まとめ
揚水発電所のポンプ入力遮断試験の目的と実施上の留意点を理解できましたか。
ポンプ入力遮断試験は,全出力で揚水運転中に,発電電動機の電源が遮断された場合,水圧鉄管およびポンプの水圧,回転速度,発電電動機電圧などが制御値を超えることなく,ポンプ水車,発電電動機が安全に停止できることを確認するために行う。
ポンプへの入力が全開での遮断となるため,ガイドベーンの閉鎖特性を過去の記録などからあらかじめ計算しておく必要がある。また,ポンプの出力は部分出力状態で実施し,水圧や回転数などの状況を見極めてから出力を増加させていくことが重要である。
また,サージタンクなどの土木工作物の状況を確認しましょう。
さらに,水圧鉄管やポンプの水圧,回転速度,発電電動機電圧,ガイドベーンの開度などはオシロ測定して,過渡現象を記録しましょう。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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