原子力発電に関する用語を(減速材,崩壊熱,半減期,eV:エレクトロンボルト,α線,臨界,反応度)説明する。
目次
- 減速材
- 崩壊熱
- 半減期
- eV:エレクトロンボルト
- α線
- 臨界
- 反応度
- まとめ
1.減速材
核燃料の核分裂の際に生まれるのは高速中性子で,その速度は速い。
この高速中性子の速度を低下させる物質を減速材という。
速度の速い中性子よりは速度の遅い中性子(熱中性子)のほうが核分裂を起こさせるのに好ましいので,熱中性子炉では減速材を使用する。
減速材としては,質量数が1に近いほど,また,中性子吸収が少ないほど効果があるので,重水,軽水,黒鉛などが使用される。
2.崩壊熱
原子炉で核燃料を燃焼させると,核分裂生成物が蓄積されていく。
炉を停止させてからも,これらの誘導放射性物質や核分裂生成物からなる放射性各種の崩壊により熱が発生する。この熱を崩御熱と呼んでいる。
崩御熱は原子炉の停止後も長時間出てくるので,原子炉を停止した場合でも,この崩御熱を除去するための冷却系や冷却材喪失事故時の対策として非常用炉心冷却系が必要となる。
3.半減期
放射性原子は,放射線を出して新しい物質に変わっていく。
放射性原子の数が,初めに存在していた数の半分に減るまでに要する時間を半減期という。
この半減期は各種の原子核に特有なものであり,どのような方法を使っても変えることはできない。
崩御定数をλとすると,半減期TはT=0.693λで表される。
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4.eV:エレクトロンボルト
エネルギーを測定する単位の1つである(1eV=1.6✕10^−19J)。
電子の持つ電荷と同じ量の単位電荷を持つ粒子が,真空中で1ボルトの電位差のあるところを通過したときに加速されて得るエネルギーを単位にとって,1エレクトロンボルトという。
5.α線
原子核のα崩壊によって放出される粒子で,本体のHe(ヘリウム)の原子核であり,正の電荷を有し質量数は4である。
α線は物質に吸収されやすいが,通過する物質を電離する作用は強い。
放射線防護上は問題にならないが,電離作用が大きいのでα線を放出する物質を体内に摂取しないようにすることが重要である。
6.臨界
原子炉が核分裂の連鎖反応を持続している状態である。
すなわち,炉内で発生する中性子数が吸収される中性子数と炉から漏れ出る中性子数との和に等しくなっている状態で,実効増倍率が1の状態である。
7.反応度
原子炉が臨界からどのくらい離れているかを示す量である。
原子炉の動特性を評価するのに重要な量で反応度ρは次式で示される。
ρ=(Keff-1)/Keff
ただし,Keffは実効増倍率を示す。
ρ>0で原子炉出力は増大し,ρ<0では逆に出力が減少する。
8.まとめ
原子力関係の用語について理解できましたか。
減速材,崩壊熱,半減期,eV:エレクトロンボルト,α線,臨界,反応度について説明しました。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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