柱上開閉器の内,油入開閉器,気中開閉器,真空開閉器における消弧原理と得失を説明する。
目次
- 油入開閉器の消弧原理と得失
- 気中開閉器の消弧原理と得失
- 真空開閉器の消弧原理と得失
- まとめ
1.油入開閉器の消弧原理と得失
(1)消弧原理
遮断器のアークは非常に高温で,油が分解して水素などのガスを発生する。
水素ガスは熱伝導率が高く,その冷却効果により消弧する。
また,消弧室内に発生したガスの断熱膨張でアーク熱を吸収して消弧する。
(2)得失
・災害
サージ発生時や油劣化時に事故が生じると油が引火して爆発する恐れがある。
現在は油入開閉器を柱上に設置することは電気設備の技術基準上,禁止されている。
・保守,点検
絶縁油の定期点検や交換,接点の摩耗の点検が必要である。
他の開閉器よりも保守が面倒である。
・価格
価格は安価である。
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2.気中開閉器の消弧原理と得失
(1)消弧原理
絶縁物の隙間にアークが封じ込められると,絶縁板でアーク密度が高められることにより,イオンの再結合作用が強くなり消弧される。
(2)得失
・災害
油を使用していないので,引火,爆発のおそれがない。
・保守,点検
油を使用していないので,保守点検が容易となる。
また,開放形のものは,断路部の点検を目視で容易に行うことができる。
・価格
価格は油入開閉器よりも高価である。
3.真空開閉器の消弧原理と得失
(1)消弧原理
真空中は絶縁耐力が高く,真空中でのアーク拡散と絶縁回復力により消弧される。
(2)得失
・災害
油を使用していないので,引火,爆発のおそれがない。
・保守,点検
・断路部が真空中にあるので,外部の影響を受けないため保守点検の頻度は少なくすむ。
・価格
価格は油入開閉器や気中開閉器よりも高価である。
4.まとめ
柱上開閉器の内,油入開閉器,気中開閉器,真空開閉器における消弧原理と得失を説明しました。
油入開閉器はサージ発生時や事故発生時に油が引火,爆発する恐れがあることから,現在は柱上での使用が電技で禁止されている。
気中遮断器は保守が容易であり,断路部の目視点検も可能である。
真空遮断器は絶縁耐力が高く,アーク拡散と絶縁回復力で消弧する。断路部が真空中にあるので,点検頻度が少なくすむ特徴がある。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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