発電機の励磁電流の変化と発電所出力を解説[施設管理7]

多数の発電所が並行運転されている電力系統で,ある発電所で発電機の励磁電流を増加させた場合,その発電所の出力および無効電力ならびに電力系統の電圧はどのように変化するかを解説。

 

目次

  1. 励磁電流の増加による発電機出力
  2. 励磁電流の増加による無効電力と電力系統電圧
  3. まとめ

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1.励磁電流の増加による発電機出力

 

発電所の出力(有効電力)は変化しない。

 

励磁電流は発電機の端子電圧を変えるだけで,発電所の出力を増減させるためには,原動機に入る入力(水力の場合は使用水量,火力の場合はタービンへの蒸気流入量)を増減させなければならない。

 

2.励磁電流の増加による無効電力と電力系統電圧

 

発電機の励磁電流を増加させると,遅れ無効電力が増加する。

 

A,Bの2機の発電機が並行運転しているとする。

 

端子電圧は励磁電流に比例するため,A発電機の励磁電流を増加させるとA発電機の端子電圧は上昇することになるが,実際には電力系統の容量が大きいので,端子電圧はほとんど変化せず,内部誘導起電力のみが上昇する。

 

この電位差による電流(無効横流)が流れ,励磁を増加させたA発電機に対しては90°遅れ電流となって磁極を減磁させ力率が悪くなる。

 

一方,B発電機には進み電流となって磁極を増磁して力率がよくなる。

 

この横流は力率がほぼ零の無効電圧であるから,発電所間を循環する無効電力を増大させることになる。

 

一般の無効横流の大きさは電力系統の容量と比べて,極めて小さいものであることから,その減磁力,増磁力によってバランスする電圧にほとんど影響しない。

 

3.まとめ

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ある発電所で発電機の励磁電流を増加させた場合,その発電所の出力および無効電力ならびに電力系統の電圧の変化について説明しました。

 

結論としては,発電所の出力(有効電力)は変化しない。

 

また,無効電力および電力系統の電圧については,発電所の励磁電流を増加させると遅れの無効電力が増加するが,発電機の容量と比べて,電力系統の容量が大きいことから,電力系統の電圧はほとんど変わらない。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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