停電時の予備として設置する自家用ディーゼル発電設備について,保守の観点から設備上および運転保守上で留意しなければならない事項を説明する。
目次
- 信頼度が高い設計
- 始動時間を短くする
- 始動装置の容量を十分にとる
- 燃料タンクの容量を十分にとる
- 保守点検の実施と燃料,冷却水の確保
- 供給負荷の優先順位を定めておく
- 電力系統への逆送防止
- 地震に対する対策
- まとめ
1.信頼度が高い設計
製作を完全に行えばほとんど故障がなく,寿命も長い。
また災害時の電源確保を確実にするため,据付場所は冠水,火災の生じやすい場所はできるだけ避け,防災設備を完全に行う。
2.始動時間を短くする
予備電源の目的に応じて,所定の時間内に自動的に始動,電力供給ができるようにする。
3.始動装置の容量を十分にとる
始動用の蓄電池や圧縮空気槽(コンプレッサ)には数回の自動始動ができる容量をもたせること。
4.燃料タンクの容量を十分にとる
燃料タンクや冷却水槽は予備電源の目的に応じて必要な時間,全負荷運転を行うのに十分な容量をもたせること。
5.保守点検の実施と燃料,冷却水の確保
いかなる場合でも始動,運転できるよう,日常の保守点検を励行し,保安規定を定めて,適当な間隔で始動試験,連続負荷運転試験を行うようにする。
また,燃料,冷却水の量および質を常に管理し,蓄電池容量,始動用圧縮空気量も規定値に維持する。
6.供給負荷の優先順位を定めておく
予備電源の目的に応じて,災害時の避難設備および消防設備の稼働に必要な電源,生産設備保護のための電源(生産棟電源)などを優先的に確保し,あらかじめ,供給容量を定めておいて予備電源が過負荷とならないようにする。
7.電力系統への逆送防止
予備電源が運転中,受電系統が復電した場合,電力系統へ電力を逆送しないように保護する。
8.地震に対する対策
機器の基礎および基礎への取付けを強固にし,燃料配管および冷却水配管は地震の変形に耐える構造とする。
9.まとめ
自家用ディーゼル発電設備の保守上で留意しなければならない事項を説明しました。
停電時の予備電源として,信頼性の高い設計が必要である。
停電時に確実に電力を供給できるよう,始動時間は短く,数回の自動始動ができるような蓄電池やコンプレッサの容量を確保しておく必要がある。
また,必要な燃料や冷却水を量と質を管理しながら確保しておく。
また,供給負荷の優先順位をあらかじめ定めておき,過負荷にならないよう気をつけ,復電したら逆送しないよう保護する必要がある。
また,地震対策も万全とし,基礎を強固とし,配管が地震の変形に耐える構造とする。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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