230/400V三相4線式配電の得失を解説[配電線5]

 

ビル等で230/400V三相4線式配電を採用する場合,200V三相3線式を採用する場合と比べた経済的な得失を説明する。

 

目次

  1. 230/400V三相4線式配電のメリット
  2. 230/400V三相4線式配電のデメリット
  3. まとめ

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1.  230/400V三相4線式配電のメリット

  

(1)導体の所要量を少なくできる

 

同一電力に対して電流が小さくなるので,電線を細くできる。

 

また,回線数も少なくできて導体所要量が減少する。

 

(2)電力損失,電圧降下の低減

 

電流が小さくなるので電力損失が低減する。

 

また,電圧が高いので電圧降下率が低減する。

 

(3)電灯,電力用の設備を共用できる

 

単相負荷にも三相負荷にも同じ配線で供給できるので,電灯と電力用設備を別々にする必要がない。

 

また,共用することで,総合負荷の平均化が図れ,設備費が経済的になる。

 

(4)高圧設備を省略できる場合がある

 

三相400Vであれば,500kW程度の電動機を作ることができるため,三相200Vでは電圧が低すぎて高圧が必要となる場合でも三相400Vで間に合うことがある。

 

(5)国際規格に整合でき,海外製品を採用できる。

 

2.230/400V三相4線式配電のデメリット

 

(1)230/100Vの変圧器が必要である

 

使用電圧100Vの小型機器に供給するためには230/100V変圧器が必要である。

 

小型機器が多い場合は230/100V変圧器の費用が大きくなる。

 

(2)C種接地工事が必要である

 

使用電圧400Vの機器の筐体などの接地は,C種接地工事が必要である。

 

(3)遮断器の定格が増加する

 

遮断器の定格電圧,定格遮断電流が大きなものを必要とする。

 

3.まとめ

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 ビル等で230/400V三相4線式配電を採用する場合において,200V三相3線式を採用する場合と比べて,経済的な得失を説明しました。

 

メリットとしては,導体の所要量の低減,電力損失・電圧降下の低減,電灯・電力用の設備を共用化,高圧設備を省略,国際規格への整合による海外製品の採用があげられる。

 

一方,デメリットとしては,230/100V変圧器が必要,400V機器の筐体はC種接地工事が必要,遮断器の定格の増加があげられる。

 

総合的に考えて,230/400V三相4線式配電の採用は以下の内容が期待できる。

 

・我が国全体として省エネルギーの推進

・電気料金の低減

・設備の縮小により,設備の建設費,保守費の低減が可能

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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