1.単母線方式
単母線方式は母線が二重ではない以下の画像のような単一の母線による方式である。
単純な構成なので経済的であり,小規模の変電所で広く採用されている。
母線や遮断器の点検に便利ではあるが,二重母線のような弾力的な運用はできない。
2.複母線方式
この方式はほとんどが二重母線であるが,特殊なものとして三重母線もある。
(1)二重母線(標準的)方式
以下の画像は標準的な二重母線で,母線連絡用遮断器を備えている。
単母線方式と比べて設備,所要面積が増えるが,機器や母線の点検時および事故時の運用などの系統運用が便利になる。
(2)二重母線4ブスタイ方式
以下の画像のように標準的な二重母線をニ分割した形である。
母線事故の場合,停電範囲を極限化でき,系統運用についての柔軟性に富んでおり,重要度が高い基幹系統変電所で用いられている。
(3)1 1/2遮断器方式
以下の画像のように,2回線当たり3台の遮断器を用いる方式である。
母線事故時の系統への影響がほとんどなく,遮断器の点検の際,当該線路の停止を必要としないなどの利点がある。
3.環状母線方式
以下の画像は環状母線と呼ばれる方式である。
母線の部分停止,遮断器の点検には便利であるが,系統運用上の融通性があまりないなどの短所から,わが国ではほとんど使われていない。
4.ユニット方式
以下の画像のように1回線の地中線とそれにつながる変圧器の系統をユニットとし,このユニットを複数組み合せた方式である(図では3系列)。
受電側に遮断器を設置することもあるが,図のように遮断器を省略することも多い。
変圧器など機器の信頼度も高まり,ケーブル系統であるので信頼度が高い。
事故があっても停止は1系統だけであり,他系統への事故波及を防止できる。
結線が単純で遮断器が少ないことは,運転面でも保守面でも好ましいことである。
主に都市部の変電所で用いられている。
5.まとめ
変電所で用いられる主な母線方式の特徴を説明しました。
単母線方式は母線が二重ではない単一の母線による方式である。単純な構成なので経済的であり,小規模の変電所で広く採用されている。
複母線方式の内,標準的なものは,二重母線方式で,母線連絡用遮断器を備えている。単母線方式と比べて,機器や母線の点検時および事故時の運用などの系統の運用が便利である。
また,基幹系統変電所では,二重母線4ブスタイ方式が採用されており,母線事故の場合でも,停電範囲を極限化できるなど系統運用の柔軟性に富んでいる。
1 1/2遮断器方式と呼ばれる2回線当たり3台の遮断器を用いる方式もあり,母線事故時の系統への影響がほとんどなく,遮断器の点検の際,当該線路の停止を必要としないなどの利点がある。
ユニット方式は主に都市部の変電所で採用されている。
1回線の地中線とそれにつながる変圧器の系統をユニットとし,このユニットを複数組み合せた方式であり,受電側の遮断器を省略することも多い。変圧器など機器の信頼度も高まり,ケーブル系統であるので信頼度が高く,運転面や保守面でも優れている。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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