1.ガス絶縁開閉装置の概要
変電所において,引込・引出送電線から変圧器に至るまでの間には,母線,開閉装置および付属機器がある。
開閉装置および付属機器とは,遮断器,断路器,計器用変圧器,変流器,避雷器,接地装置などである。
ガス絶縁開閉装置はこれらの母線および開閉装置・付属機器を接地した金属容器の中に収納し,容器中を絶縁性の高いSF6ガスで満たした構造になっている。
母線は容器の中に1相収納したものと3相一括して収納したものとがあるが,いずれも円筒容器の中にエポキシ樹脂のスペーサで支持されている。
遮断器はSF6ガス遮断器で,断路器は開閉状態を目視できないことから高い信頼性が必要である。
また安全のために接地装置を設けており,計器用変圧器や避雷器は極力小さいものを用いる。
変流器は容器の外側に鉄心を配置する構造のものが多い。
2.ガス絶縁開閉装置の利点
(1)小型化
空気絶縁の場合と比べて,絶縁距離を大幅に縮小できる。
装置の占有容積,占有面積とも小さくなり,電圧が高いほど効果が大きい。
屋外がたでも小型化の効果があるが,都心の地下変電所などの狭い空間に機器を配置する場合には特に効果的である。
屋外鉄構方式の母線,開閉設備と比べて,その容積比は66kVで10%,154kVで4%,275kVで1.4%,500kVの場合,変電所全体で約2%と大幅に縮小化される。
(2)信頼性
充電部の露出がないので,塩害,じん害,雪害,飛来物などによる外部要因による事故のおそれがない。
また工場で完全に組み立てられていることから,長期に渡って高い信頼性を保つことができる。
(3)安全性
絶縁物であるSF6ガスは不燃性で火災のおそれがない。
また接地された容器に機器が収納されているので感電の心配がない。
(4)保守点検の省力化
機器類は酸素や有害ガスに触れることがなく,経年劣化が少ない。
またがいし類の清掃が不要で保守点検は省力化される。
機器の性能確認は,ガス圧力の監視だけでほぼ十分である。
(5)レイアウトの自由度と工期の短縮
装置は機器毎にユニット化され,工場で完全に組み立てられる。
現地ではこれを組み合せて配置する。
よって立地条件に適したレイアウトで設計することが可能であり,かつ工期の短縮が図られる。
また変電所のリプレースにおいても,比較的小さな空きスペースで更新機器を組み立てておき,短期間の回路の切換え作業で更新工事が完了できる。
(6)環境調査
縮小化され,また低騒音化されるので環境との調和を図りやすい。
密閉した金属容器内に各機器が配置されているので,開閉時の騒音を防止できる。
また容器で遮へいされているのでコロナ雑音を防止できる。
3.まとめ
ガス絶縁開閉装置(GIS) の概要とその利点について説明しました。
GISの概要として,遮断器,断路器,計器用変圧器,変流器,避雷器,接地装置などが,接地した金属容器の中に収納されており,容器中を絶縁性の高いSF6ガスで満たした構造になっている。
GISの利点として,空気絶縁の場合と比べて,絶縁距離を大幅に縮小できる,充電部の露出がなく,外部要因による事故のおそれがないなど高い信頼性がある,SF6ガスは不燃性で火災のおそれがない,保守点検が省力化されてガス圧力の監視だけでほぼまかなえる,レイアウトの自由度が高く,工期も短くリプレース工事にも活用可能,縮小化,低騒音化により環境調和を図りやすいなどがある。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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上田邦夫 (木曜日, 01 9月 2022 20:15)
こんにちは、自分は、東芝で、GISを、組立を、してました、開発したのは、TPC(東電)、TSB(東芝)が、開発しました。以上です。
上田邦夫 (木曜日, 01 9月 2022 20:20)
工事で、組立をして、指導員として、据付を、しました、東電、以外にも、他、電力さんにも、収めました。