発変電所の鉛蓄電池の容量検討の解説[変電所16]

 

発変電所に設置する鉛蓄電池の容量を決定する場合,考慮すべき主な事項を説明します。

 

目次

  1. 鉛蓄電池の容量の検討事項
  2. まとめ

☆ありそうでなかった電験論説音声教材。さらなる一歩を!☆

 

発変電所の鉛蓄電池は,設備の保護や機器操作などの電源に使用されるため,いかなる場合でも十分な機能を発揮できるよう以下の事項について検討して決定する。

 

1.鉛蓄電池の容量の検討事項

 

(1)瞬時負荷電流

 

遮断器の操作など瞬時負荷に流れる電流を対象に,蓄電池の10時間率電流の1.5倍程度にする。

 

(2)連続負荷電流

 

停電時に表示灯,非常灯,通信用電源など常時流れる電流を考慮する。

 

(3)継続負荷電流

 

コンプレッサ用電動機など,停電中に断続して流れる負荷電流を考慮する。

 

(4)停電時間

 

系統運用面からみた発変電所の重要性に応じて推定する。

 

(5)容量の経年劣化

 

寿命末期の容量を定めておき,その分だけ余裕をもった容量にする。

 

(6)使用時の周囲温度

 

電界液の温度が低下すると容量が減少するので,停電時に周囲温度が最低まで下がった最も過酷な条件で検討する。

 

(7)電圧降下

 

寿命末期および停電中の使用末期に瞬時最大放電をしたと考えて,その電流に対する電圧降下が機器動作の可能範囲に入るよう検討する。 

 

2.まとめ

  

発変電所に設置する鉛蓄電池の容量を決定する場合,考慮すべき主な事項を説明しました。

 

具体的には,主に瞬時負荷電流,連続負荷電流,継続負荷電流,停電時間,容量の経年劣化,使用時の周囲温度,電圧降下について検討する。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

☆ありそうでなかった電験論説音声教材。さらなる一歩を!☆