電力系統の電圧調整方法の解説[変電所17]

 

電力系統の電圧調整に用いられている機器をあげて,その概要を説明します。

 

目次

  1. 発電機
  2. 静止形無効電力補償装置(SVC)
  3. 負荷時電圧調整器付き変圧器(負荷時タップ切換装置)
  4. 同期調相機(ロータリコンデンサ)
  5. 電力用コンデンサ(SC)
  6. 分路リアクトル
  7. まとめ

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1.発電機

 

界磁電流を制御することで連続的に出力電圧を調整する。

  

2.静止形無効電力補償装置(SVC)

 

 電力用コンデンサと分路リアクトルを組み合わせた構造でそれぞれに流れる電流をサイリスタで高速に連続的に制御することで,無効電力を制御して連続的に系統電圧を調整する。

 

3.負荷時電圧調整器付き変圧器(負荷時タップ切換装置)

 

直列巻線を設けた変圧器の巻線に設置したタップを切換えることにより,段階的に系統電圧を調整する。

 

通電状態のまま切換電流の少ない1次側(高圧側)で絶縁処理の容易な中性点側に設けている。

 

切換時にタップ間を橋絡するため限流リアクトル,限流抵抗を挿入してタップ間の循環電流を抑制している。

 

4.同期調相機(ロータリーコンデンサ)

 

界磁電流を制御して,連続的に系統電圧を調整する(進みまたは遅れ無効電力を供給する)。

 

5.電力用コンデンサ(SC)

 

進相無効電力を系統から吸収させることにより,系統の遅相電流を減少させて,系統電圧が低下しないように段階的に調整する。

 

6.分路リアクトル

 

遅相無効電力を系統から吸収させることにより,系統の進相電流を減少させて,系統電圧が上昇しないように段階的に調整する。

 

7.まとめ

 

電力系統の電圧調整に用いられている機器の概要について説明しました。

 

電力系統の電圧調整に用いられる主な機器として,発電機,静止形無効電力補償装置(SVC),負荷時電圧調整器付き変圧器(負荷時タップ切換装置),同期調相機(ロータリコンデンサ),電力用コンデンサ(SC),分路リアクトルが活用されています。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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