需要家電圧を適正な値に維持するため,配電用変電所および配電線でとられている方策を説明します。
目次
- 配電用変電所での電圧維持の方策
- 配電線での電圧維持の方策
- まとめ
1.配電用変電所での電圧維持の方策
負荷の大きさに応じて送出電圧を調整する。
一般的に重負荷時には電圧を高くし,軽負荷時には電圧を低く調整する。
送出電圧の調整方法は負荷時タップ切換変圧器(LRT)または負荷時電圧調整器(LRA)による母線一括調整が標準である。
それぞれプログラム運転,線路電圧降下補償器運転(LDC)または両者併用運転が採用されている。
2.配電線での電圧維持の方策
配電線内の電圧降下をある限度以下に抑え,かつ,配電変圧器の使用タップを変電所からの距離に応じて適正に選定する。
(1)高圧線での方策
高圧線で電圧降下を一定限度内に抑えるためには,以下のような方策がある。
一般的に負荷密度が低く,配電距離が長い地域での対策が必要で,高圧線路用自動電圧調整器(SVR)による電圧降下補償が多く採用されている。
①電線を太くする。
②配電線を増設して系統を分割する。
③高圧線路用自動電圧調整器(SVR)を設置する。
④配電電圧を格上げする。
⑤力率改善用コンデンサを設置する。
(2)低圧線での方策
低圧線での電圧降下を一定限度内に抑えるためには,以下の方策がある。
①低圧線による供給径間を短くして,柱上変圧器を増設する。
②低圧線を増設して系統を分割する。
③連接引込線を分割する。
④低圧用電圧調整器(ポールレギュレータ)を設置する。
⑤単相3線式としてバランサを設置する。
※バランサ:単相3線式で短絡事故や中性線断線時の過電圧を防止する装置
3.まとめ
需要家電圧を適正な値に維持するため,配電用変電所および配電線でとられている方策を説明しました。
配電用変電所の送出電圧は,一般的に重負荷時には電圧を高く,軽負荷時には電圧を低く調整される。調整方法は負荷時タップ切換変圧器(LRT)または負荷時電圧調整器(LRA)による母線一括調整が標準であり,プログラム運転や線路電圧降下補償器運転(LDC)で運用されている。
配電線では電圧降下をある一定限度以下に抑えつつ,配電変圧器の使用タップを変電所からの距離に応じて適正に選定する。
高圧線で電圧降下を一定限度内に抑えるためには,電線を太くする,配電線を増設して系統を分割する,高圧線路用自動電圧調整器(SVR)を設置する,配電電圧を格上げする,力率改善用コンデンサを設置する方策がある。
一般的に負荷密度が低く,配電距離が長い地域での対策が必要で,高圧線路用自動電圧調整器(SVR)による電圧降下補償が多く採用されている。
低圧線で電圧降下を一定限度内に抑えるためには,供給径間を短くして柱上変圧器を増設する,低圧線を増設して系統を分割する,連接引込線を分割する,低圧用電圧調整器(ポールレギュレータ)を設置する,単相3線式としてバランサを設置する方策がある。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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