単相3線式供給方式の特徴を解説[配電線9]

低圧屋内配線に単相3線式を採用する場合において,以下の項目について説明する。

  

目次

  1. 単相3線式供給方式の特徴
  2. 中性線の欠相(断線)により発生する障害
  3. 中性線欠相(断線)の発生原因とその防止策
  4. まとめ

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1.単相3線式供給方式の特徴

  

(1)1つの系統から単相100V,200Vを取出すことができ,100V,200Vどちらの機器も使える。

 

(2)単相2線式に比べて経済性が高い。

 

・合計容量および電線の太さ長さが同一の場合,単相2線式に比べて,線路電流は1/2,電力損失は1/4になる。

 

・合計容量,電線長および電力損失が同じ場合,単相2線式に比べて,所要銅量は3/8になる。

 

(3)200V回路の安全性が高い。

 

中性線が接地されているので,200V回路の対地電圧は100Vであって,安全性の面で100V回路と同様である。

 

2.中性線の欠相(断線)により発生する障害

 

 中性線の断線などによって,電源側中性点と負荷側の中性線との導通が不完全になると,100V回路の電圧は負荷のインピーダンスに比例して配分される。

 

2つの100V回路の負荷が不均衡なときは,一方の100V回路に過電圧を生じ,その回路の機器類を損傷,焼損するなどの障害を起こす恐れがある。

 

3.中性線欠相(断線)の発生原因とその防止策

 

(1)発生原因

 

中性線欠相の発生原因の多数を占めるのは,分電盤内の開閉器類などの端子において,接触が不完全になるものである。

 

この接触不良は工事施工不良などによるネジ締めの不完全に,導体温度変化による導体の膨張,収縮や振動などが加わって,ネジのゆるみによって生じる。

 

さらに,その部分が過熱,焼損に発展することも考えられる。

 

(2)防止策

 

①開閉器類に対する構造的な対策

 

・端子部の構造を改善する:2ネジ方式,圧着端子方式などによって,長期間使用しても,ネジのゆるみを生じないように構造を改善する。

 

・欠相保護機能がある漏電遮断器を使用する:中性線欠相による過電圧発生時に回路を遮断する機能を持たせた漏電遮断器を使用する。

 

②開閉器類の設置時の対策

 

・設置場所を適正に選定する:高温,多湿の場所,振動やじんあいのある場所には設置しない。

 

・開閉器類の端子部に電線を接続するときは,端子締付けに適合した工具を用いて,確実な施工をして施工後に接続状態を再確認する。

 

③既設開閉器類に対する対策

 

特に接続不良を生じやすいのは,振動を受けやすいもの,活性ガスがあるところのもの,大電流負荷が流れるもの,開閉頻度の高いもの,温度変化の大きいところのもの,などである。

 

以下の点に留意して次の対策を行う。

 

・異臭,ラジオ・テレビの雑音,機器類の運転の異常,照明器具の明るさの異常などから,不良箇所の早期発見につとめ,処置をする。

 

・端子部の点検,手入れを行う。

 

4.まとめ

  

低圧屋内配線に単相3線式を採用する場合において,単相3線式供給方式の特徴,中性線の欠相(断線)により発生する障害,中性線欠相(断線)の発生原因とその防止策について説明しました。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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