1.軸電流の発生原因
タービン発電機の軸電流は,発電機軸と鎖交する磁束が非対称なため発生する。
すなわち,回転子コイルによる磁束は軸方向から見てN極より左右に分かれ,固定子鉄心を通りS極に戻る。
しかし,鉄心の磁気抵抗が一様でないと,この左右に分かれた磁束は非対称になり,軸が1回転するごとに周期的な変化が生じる。
その結果,磁束と鎖交する回転子に起電力を生じ,軸受油膜による絶縁を破り軸電流が流れる。
2.軸電流の防止対策
タービン発電機の電磁誘導による軸電流は,その電圧は低いがエネルギーは極めて高くかつ永続的に持続する。
そのため,両端軸受による閉回路が構成された場合,大きな軸電流が流れ,軸受の油膜を破り大事故に至るので,閉回路を構成しないよう軸受を絶縁する必要がある。
すなわち,発電機励磁機側の全軸受,または発電機タービン側の全軸受を絶縁し,発電機軸および軸受による閉回路を防止すればよいが,一般には軸受の小さい前者(発電機励磁機側の全軸受)の絶縁を採用している。
3.まとめ
タービン発電機における軸電流発生の主な原因とその防止対策について説明しました。
タービン発電機の軸電流は,発電機軸と鎖交する磁束が非対称なため,磁束と鎖交する回転子に起電力を生じ,軸受油膜による絶縁を破ることで発生する。
対策としては,閉回路を構成しないよう軸受を絶縁する必要がある。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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