発電機で使われる保護継電器の解説[発電機9]

 

水車およびタービン発電機の保護にために設置する重要な保護継電器を5つあげて,それぞれについて,回路の簡単な結線図を示して,設置目的を説明する。

 

目次

  1. 電機子巻線短絡保護継電器(87G)
  2. 電機子巻線地絡保護継電器(64G)
  3. 界磁喪失保護継電器(40G)
  4. 逆相過電流保護継電器(46G)
  5. 界磁巻線接地保護継電器(64GF)
  6. まとめ

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1.電機子巻線短絡保護継電器(87G)

  

発電機電機子巻線の相間短絡故障を検知し発電機を緊急停止させるものである。

 

発電機の母線側と中性点側とに入れた変流器により電流を検出し,両変流器二次還流電流の差電流が設定値以上になった場合に動作する,比率差動方式である。

2.電機子巻線地絡保護継電器(64G)

 

発電機電機子巻線地絡故障発生時,中性点に発生する零相電圧を過電圧継電器で検出して動作する方式で,高調波や主変圧器高圧側地絡などにより誤動作しないようになっている。

3.界磁喪失保護継電器(40G)

 

同期機の界磁が異常に低下したり喪失すると,同期化力を失い,ついには脱調して系統電圧を低下させて系統の運転に悪影響を与えることになる。

 

これを防止するために設けている。

4.逆相過電流保護継電器(46G)

 

発電機が接続されている系統に不平衡故障が生じると,発電機に逆相電流が流れる。

 

この逆相電流は,発電機内部で回転子と逆方向に回転する磁界を作り,回転子に倍周波数(第2調波)の電流を誘起する。

 

これにより回転子表面に渦電流を生じ,端部では局部過熱を生じ機械的強度をおびやかす。

 

これを防止するために設けている。

5.界磁巻線接地保護継電器(64GF)

 

 発電機の界磁回路で地絡すると過電流により回転子に磁気的不平衡や振動を発生し,さらに大きな事故となる可能性をもっている。

 

これを防止するために設けている。

6.まとめ

 

水車,タービン発電機の保護にために設置する重要な保護継電器として,電機子巻線短絡保護継電器(87G),電機子巻線地絡保護継電器(64G),界磁喪失保護継電器(40G),逆相過電流保護継電器(46G),界磁巻線接地保護継電器(64GF)の簡単な結線図を示して,設置目的を説明しました。

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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