高圧自家用受電設備は,配電線の6kVの電圧100V,200Vまたは400Vに降圧する設備である。
高圧受電設備は開放形とキュービクル式に大別される。
キュービクル式には屋内形と屋外形がある。
またPF-S形(パワーヒューズ,スイッチ形)とCB形(遮断器形)に分類される。
1.受電設備はどのような機器から構成されているか。
(1)主要機器
①区分開閉器,ケーブル等の引込み設備
②主遮断装置(PF-S形:電力ヒューズと負荷開閉器との組み合せ,CB形:高圧遮断器を用いる)
③変圧器
(2)保護装置
①保護リレー:過電流リレーと地絡リレーが主である。
分散形電源がある場合は,その設備に対応した保護リレーが必要である。
なお区分開閉器にはGR付PAS(地絡保護付高圧開閉器)や,UGS(地中線用地絡リレー付ガス開閉器)が用いられている。
②避雷器(受電容量500kW以上の架空引込み設備は,設置を義務付けられている)
(3)その他
①進相コンデンサ
②計器および計器用変成器
③高圧カットアウト,高圧遮断器,高圧開閉器(変圧器一次用・配電用)
④接地装置
2.交流高圧遮断器にはどのようなものがあるか。
(1)真空遮断器(VCB)
真空バルブで接点を開き,アークの荷電粒子を拡散させて消弧する。
高圧受電設備の遮断器はほとんどVCBが採用されている。
(2)小油量遮断器,タンク形油遮断器(OCB)
小油量遮断器は,各相に絶縁油を入れた絶縁筒を用い,油中で接点を開閉する。油吹付けなどの消弧方式を用いる。
比較的大きな設備に用いられていたが,最近は少ない。
一方,タンク形油遮断器は,鉄槽を用いた油遮断器で,主として油の分解により発生した水素ガスの冷却によって消弧する。
最近では採用されることはない。
(3)磁気遮断器(MBB)
遮断時に吹消コイルに遮断電流を流し,これによる磁気吹消作用によって消弧する。
採用実績は少ない。
(4)ガス遮断器(GCB)
SF6ガスの消弧力によって消弧する。
特別高圧では広く用いられているが,高圧では採用されることは少ない。
3.まとめ
高圧自家用受電設備における受電設備を構成する機器および交流高圧遮断器について説明しました。
構成する機器には,区分開閉器,ケーブル等の引込み設備,主遮断装置,変圧器,保護リレー,避雷器,進相コンデンサ,計器および計器用変成器,高圧カットアウト,高圧遮断器,高圧開閉器(変圧器一次用・配電用),接地装置などがある。
また,交流高圧遮断器には,真空遮断器(VCB)小油量遮断器,タンク形油遮断器(OCB),磁気遮断器(MBB),ガス遮断器(GCB)があるが,ほとんどが真空遮断器である。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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