1.発電機
発電機の励磁電流を増減させ,誘起起電力および無効横流を加減させることによって発電機端子電圧を調整する。
制御には自動電圧調整装置(AVR)が用いられる。
2.電圧調整装置
(1)変圧器の負荷時タップ切替装置(LTC:Load ratio Tap Changer)
変圧器の負荷時タップ切換変圧器のタップを切り換えて,電圧を調整する。
(2) 負荷時電圧調整器(LRA)
負荷時タップ切換装置のタップを切り換えて,電圧を調整する。
(3)誘導電圧調整器
回路と直列な二次巻線の起電力の位相を変えることによって,出力電圧を調整する。
ただし,(2),(3)は主に配電用変電所の二次側に用いられるが,採用されるケースが少なくなっている。
3.調相設備
主として変電所に設置される。
(1)電力用コンデンサ(SC:Static Condenser)
系統から進み電流をとることによって,電圧を上昇させる。
電圧調整は段階的である(連続的に調整できない)。
一般的に変圧器の3次回路に開閉器を介して接続される。
(2)分路リアクトル(SHR:SHunt Reactor)
系統から遅れ電流をとることによって,電圧を低下させる。これも,電圧調整は段階的である。
SCと同様に変圧器の3次回路に開閉路を介して接続される。
大容量地中ケーブル系統では,その静電容量を補償するため送電線に直列・並列に接続される。
(3)同期調相機
同期電動機を機械的に無負荷で運転するもので,励磁電流の増減により進み電流および遅れ電流をとり,それを加減することで電圧を段階的に調整できる。
保守が煩雑なこと,騒音があること,あまり経済的でないこと,などから,最近はあまり採用されていない。
(4)静止形無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)
半導体装置により無効電力を調整するもので,次のような種類がある。
①分路リアクトルに流れる電流をサイリスタによって制御するもの。連続的に,また,高速で調整ができる。
②電力用コンデンサをサイリスタで入・切するもの。調整は連続的でない。
③上記の①と②とを組み合せたもの。
④発生電圧を加減できるコンバータを,リアクトルを介して系統に接続したもの。
発生電圧の制御によって,進みから遅れの無効電力を連続的に調整できる。
4.まとめ
電力系統において系統電圧を調整できる機器をあげ,その概略を説明しました。
機器としては,発電機,電圧調整装置,調相設備があります。
発電機では,励磁電流を増減させ,誘起起電力および無効横流を加減させることによって発電機端子電圧を調整し,制御には自動電圧調整装置(AVR)が用いられる。
電圧調整装置としては,変圧器の負荷時タップ切替装置,負荷時電圧調整器,誘導電圧調整器が用いられている。
調相設備としては,電力用コンデンサ,分路リアクトル,同期調相機,静止形無効電力補償装置が用いられている。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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