無効電力の発生源と消費源を解説[施設管理24]

 

電力系統における無効電力の発生源と消費源をあげて,それらに過不足が生じた場合の問題点と対策を説明する。

 

目次

  1. 無効電力の発生源
  2. 無効電力の消費源
  3. 遅れ無効電力供給が不足の場合
  4. 遅れ無効電力供給が過剰の場合
  5. まとめ

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消費源とは遅れ無効電力の消費の意味である。

 

したがって,進み無効電力を出力とするものは,実効的には遅れ無効電力の消費と同じであるからこれを含める。

 

一方,発生源とは遅れ無効電力を供給するものと考える。

 

したがって,進み無効電力を消費するものは発生源を含める。

 

1.遅れ無効電力の発生源

  

(1)発電機(遅相運転時)

 

(2)電力用コンデンサ(特別高圧,高圧,低圧)

 

(3)送配電線(特にケーブルの静電容量)

 

(4)同期調相機(進相運転時)

 

2.遅れ無効電力の消費源

 

(1)発電機(進相運転時)

 

(2)送配電線および変圧器におけるリアクタンス

 

(3)分路(並列)リアクトル

 

(4)需要家負荷の遅れ無効分

 

(5)同期調相機(遅相運転時)

 

3.遅れ無効電力供給が不足の場合

 

(1)問題点

 

系統電圧が低下する(送配電ロスが増加する)。

 

(2)対策

 

①発電機を遅相運転する(発電機端子電圧を高める)。

 

②電力用コンデンサを回路に入れる。長期的には増設する。

 

③同期調相機の進相負荷を増やす。

 

④需要家で力率の高い機器を使用し,力率改善用コンデンサを用いる。

 

4.遅れ無効電力供給が過剰の場合

 

(1)問題点

 

系統電圧が上昇する(送配電ロスが増加するが,一般には定常的でないのでそれほど問題にならない)。

 

(2)対策

 

①発電機を進相運転する。

 

②分路リアクトルを回路に入れる。長期的には増設する。

 

③同期調相機を遅相運転する。

 

④停止可能なケーブルを停止する。

 

⑤需要家の力率改善用コンデンサを回路から切り離す。

 

5.まとめ

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電力系統の無効電力の発生源と消費源をあげて,過不足が生じた場合の問題点と対策を説明しました。

 

遅れ無効電力の発生源(進み無効電力の消費源)として,  発電機(遅相運転時),電力用コンデンサ(特別高圧,高圧,低圧),送配電線(特にケーブルの静電容量),同期調相機(進相運転時)があげられる。

 

一方,遅れ無効電力の消費源として,発電機(進相運転時),送配電線および変圧器におけるリアクタンス,分路(並列)リアクトル,需要家負荷の遅れ無効分,同期調相機(遅相運転時)があげられる。

 

遅れ無効電力供給が不足の場合は,系統電圧が低下するので,発電機を遅相運転する(発電機端子電圧を高める),電力用コンデンサを回路に入れる,同期調相機の進相負荷を増やすなどの対策がとられる。

 

また,遅れ無効電力供給が過剰の場合には,発電機を進相運転する,分路リアクトルを回路に入れる,同期調相機を遅相運転する,停止可能なケーブルを停止するなどがある。

 

 

それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!

 

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