1.電機子反作用が同期発電機の端子電圧に与える影響
同期発電機の1組について等価回路を示すと以下の図のようになる。
図ではraは電機子抵抗であり,xaは同じく漏れリアクタンス,Xaは電機子反作用を表す電機子反作用リアクタンスであって,この両者を合わせたxs =ra+Xa を同期リアクタンスと言う。
また,Eは無負荷時の誘起電圧,Iは負荷電流を示している。
さて,電機子反作用はIXaで等価されるが,その作用はIxaと全く同じであるから,両者を合わせたIxsによって電機子反作用が端子電圧に与える影響を考察することができる。
ただし,raはxsに比べて極めて小さいので考慮しない。
さて,発電機の端子電圧Vは,誘起電圧Eから,同期リアクタンス電圧降下Ixsを引いたものであり,
V=E−Ixs=E+(−Ixs)となる。
今,EとIを一定とし,IがVと同相(c=1)のとき,IがVよりπ/2遅れた(cosΦ=0)とき,逆にπ/2進んだ(cosΦ=0)ときのこれらのベクトル関係を描くと以下の画像のようになる。
画像からも明らかなように,負荷力率が1のときはVはEと大差がなく,遅れπ/2では著しく減少し,進みπ/2では著しく増大する。
任意の遅れ力率cosΦのときは,Vと同相のIcosΦの分力は端子電圧にほとんど影響がなく,VよりcosΦ遅れるIcosΦが端子電圧を減少させるので,遅れ力率の負荷による電機子反作用は端子電圧を減少させるといえる。
反対に任意の進み力率では,作用は端子電圧を増大させるといえる。
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