電動機の騒音はその発生源により分類すれば,電磁気的騒音,機械的騒音,通風騒音に大別される。
それぞれの防止対策は次の通りである。
1.電磁気的騒音
磁気騒音は磁気回路における磁気抵抗の変化によって起こり,歯周波数騒音と極周波数騒音がその主なものである。
防止対策は以下の通り。
(1)固定子と回転子とのギャップ長をなるべく長くすること。
(2)1極当たりの歯数をあまり小さくしないこと。
(3)同期電動機,直流電動機などの突極機では,磁極片の形を正磁に作り,磁極鉄心への締め付けを確実に行うこと。
(4)誘導電動機では,斜めスロット,磁性くさびを用いること。
(5)固定子巻線,回転子巻線の平衡を完全にし,電流の不平衡をなくすこと。
(6)ギャップの不平衡をなくすため,固定子と回転子軸を完全に一致させること。
2.機械的騒音
機械的騒音は,回転子釣り合いの不完全,基礎および据付の不完全,保守の不良などにより起こり,防止対策は以下の通りである。
(1)回転部分の釣り合いを完全にとり,また軸方向振動を少なくするため予圧バネを用いるなどすること。
(2)基礎および据付を完全に行い,特に各部分の振動による共鳴が起こらないようにすること。
(3)整流子,スリップリングの偏心をなくすこと。
(4)ブラシの摩擦音,玉軸受あるいは,ころ軸受の騒音を防ぐため保守整備を完全に行うこと。
3.通風騒音
通風騒音は,冷却用通風によって生じるもので,送風翼付近および通風ダクトに発生する。防止対策は以下の通り。
(1)送風翼を板でなく鋳物にする,翼の角度を適正にする,などした低騒音形のファンを用いること。
(2)通風ダクトの構造を改善し,防音ダクトにすること。
(3)風速を低下させること。
以上の各種対策があるが,騒音をなくすためには,電動機および機械装置を密閉容器に入れる,建物を防音構造にする,防音壁を設置するなどにより,極力騒音を防止する措置を行わなければならない。
4.まとめ
電動機の騒音には,電磁気的騒音,機械的騒音,通風騒音があり,それぞれの防止対策について説明しました。
それでは,人間万事塞翁が馬。人生,何事も楽しみましょう!
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